登米幼稚園の目標・沿革

1.   登米(とめ)幼稚園の教育理念

 「人にしてもらいたいと思うことは

何でも、

あなたがたも人にしなさい」

 (マタイによる福音書712)

キリスト教における「愛」の精神に基づき子ども一人ひとりを尊び、自主性を育み、将来、相手を思いやり主体的に行動できる大人になるよう人格の基礎を育みます。



   2. 登米(とめ)幼稚園の教育目標
「自分を愛するように
隣人を愛しなさい」
(レビ記1918節)

神様に与えられた命には、一人ひとり他と比べる必要のない尊い価値があります。
一方で自分が大切であるように、他の人にも等しく価値があります。
そこで、葛藤しながらも、「隣人を愛する」ことが勧められています。
これは大変難しい、しかし目指すべき大切な教えです。

そこで登米幼稚園では、幼児期における3つの目標を掲げました。
○自分を大切にする子ども      
○まわりの人を大切にする子ども   
○まわりの自然や物を大切にする子ども






○自分を大切にする子ども・・主体性
自分を愛するとは、自分の得になることを優先させることではなく、分を知り、自分の姿を受け入れることです。
うまくいってもいかなくてもそれが自分です。
その姿を周りにも受け容れてもらう体験を通し、自分のかけがえのなさを実感します。
まっすぐな自尊心が主体性を育てます。

安心してのびのびと表現し、
行動できる子どもを目指します。












まわりの人を大切にする子ども・・想像力
主に家庭の中で過ごしてきた幼児も、幼稚園という集団生活を経験します。
お友だちや先生との関わりの中で、衝突したり、戸惑ったりしながら、一緒に過ごす楽しさや喜んでもらえるうれしさに気づいていきます。
こうした繰り返しにより、相手を思いやる想像力が育まれます。

自分のことばかりでなく、まわりの人に
目を向けられる子どもを目指します。





まわりの物や自然を大切にする子ども・・感受性・思考力
登米町は、山や川など豊かな自然に恵まれ、歴史的建造物も残る静かな町です。
こうした環境の中、子どもたちは草花や生き物、風や日光等に触れながら五感を発達させていきます。
また、感じ取ったイメージを、絵や言葉、表情・動きで表し、受け止めてもらうことによって、感受性が発達し、その子の世界が広がります。
自然界の不思議さに心を動かされ、そのしくみに気づき、思考力が育ちます。

まわりの自然や物の豊かさを知り、
大切にしようとする子どもを目指します。
長靴はいて水たまり、傘に当たる雨音




     





3.登米(とめ)幼稚園沿革
*1941(16)  
時代の要請により託児所として発足。
戦後は「登米教会附属登米保育園」として運営。
登米町では最初から登米幼稚園と呼んでいた。 

*1949年(昭24)12月
児童福祉施設として県の認可を受ける。

*1956(31)
保育園廃止,幼稚園開設。
認可を宮城県に申請。
1115日付で「日本基督教団登米教会付属登米幼稚園」として出発。
  
1960年代後半(昭和40年代初め)
登米町名誉町民・故渡辺政人氏が若い時、
登米教会で英語を教えられたことを感謝し、100万円を献金。
それを基にして、園庭の拡張等、施設を充実。

*1979(54)7
園舎を改築。

*1980(55)129日 
1月29日付で、学校法人の認可を受ける。
「学校法人とよま平和学園登米幼稚園」として再出発。

*2005年(平17)11月
ホール新築。

*2006年(平18)9月
ホールに台所を増築。

2007(19) 6
登米教会礼拝堂新築。        
(御澤徹氏撮影)





4.登米とめ幼稚園の教育

1)小さい幼稚園

…安心して過ごす

 

全園児25名以下の小さい幼稚園ならではの良さがあります。

一クラスは10名程度なので、教師は園児一人一人に目が行き届きます。子どもの小さな変化にもすぐ気が付きますし、気持ちに寄り添って、じっくり話を聞くこともできます。一人一人に合わせてふさわしい接し方が可能です。

また、お友だちとの関係にも気を配ることができます。

 

保護者の方とも、気になるところはその都度相談しながら、

お子さんにとってどうすることがよいのか、いっしょに考え ていきます。

 

また、新型コロナ等感染症についても、行事の開催などは、必要な対策をとりながら実施しやすい利点があります。



2)一茶俳句の暗唱

…知識の基礎、表現の楽しさ

小林一茶の俳句は、動植物や子どもの生活をうたった親しみやすい俳句です。その俳句を、百句を目指して楽しく暗唱しています。子どもの吸収力は驚くほどで、あっという間に次々と覚えていきます。

 

水彩画による優しいタッチの絵札や、毛筆で書かれた漢字かな交じりの大きな俳句カードを見ながら、先生の声に合わせて、クラスみんなで声をそろえて暗唱しています。子ども達は覚えた俳句を誰かに聞かせたくて、相手を見つけては、一人でも堂々と嬉しそうに暗唱をしてみせています。

 

五七五のリズムにのって、語感の他にも様々な感覚が育ちます。目を通して文字や水彩の絵を見、自ら声を発し、耳を通して先生やお友達、自分の声を聞きます。


漢字も子どもにとっては、難しいものではなく、ながめているうちに図形として頭に入っていきます。決して強制はしませんが、楽しく触れるうちに、言葉や情景や気持ちが脳内で結びつき広がり、情緒や記憶力、思考力の基礎が育っていきます。




3) 生活リズムを整える

…協同性、健康

幼稚園に来ると集団生活ですから、自分だけのペースで行動するわけにはいきません。子どもによって行動の速い遅いはありますが、行動の速い子も待つことを学び、遅い子も待っているお友達のことを思って、すこしスピードアップします。


広い園庭やホールで存分に体を動かして跳びまわったり、静かにクラシック音楽を聴きながら室内で過ごしたり、お友達や先生といっしょに活動の相談をしたり、動と静のリズムを日々積み重ねるうちに習慣となり、健康に過ごそうとする意欲や協同する心を育てます。




自然に触れ合う楽しいお散歩!